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海月はいかにして僕の”くらげ”になったか

 

腹立たしいほどに海月的なフォルムを持つ君だ。

なさけないほどに僕は、君の海月な背中に恐怖している。

 

闇が恐ろしい訳では無いし、朝がくるのが不安な訳でもない。

君があの軟体な透明さを持ち合わせながら、今もベッドの中で、しあわせな夢を見ている事を想像する事こそが、僕を不安にし、そしてそれそのものに深く嫉妬するのである。

新しい感覚を求めるように、ひたすらに透明さを増してゆくその滑らかな表皮。

水であることを拒否も肯定もせずに、純粋さ”そのもの”にただひたすら近づいてゆく深い血流。

僕は純粋さを信じられなかったが、君のもつ純粋さだけは信じる事ができた。

どうかその歩みに似た緩やかな漂いを無くさないでほしい。

 

僕が恐怖に狂ってゆく理由は君を失いたくないと心底思っているからだ。

 

触れることさえ叶わなかったそのフォルムが、君が、僕の元を今以上に離れ、時間の彼方に押しやられ、もはや記憶の中だけで形を保つようになること。

そのことを想像するだけで吐き気を超えた深い悲しみに襲われる。

今を忘れるはずがない。

しかし、僕はたくさんの大切なものを、それらを失った瞬間の悲しみを、それが例えどんなに大きなものだったとしても、今ではその大きささえ感じる事ができない。

ましてや同じ悲しみに、今また明け暮れる事など出来やしない。

振り返ればそこにある影のようなものだ。

 

忘れたくない思い出の中にある柔らかさに加えて、痛みや苦しみも同時に時間の彼方へと、僕だけを置いて去っていくのである。

今までそうであったように、きっと君のこのかけがえのないフォルムも、僕だけを置いて去っていくのだろうと思う。

 

君はフォルムという名の精神だ。精神と呼ばれる名の形質だ。

なんという残酷さ。

今こんなに恐怖に狂っているのは、君だけが時間の向こう側へ、僕の事など気にもせずにやがて去っていくこと、

今もそれが心の奥の記憶に染み付いて揺さぶり続けてくるからだ。

 

くらげさん。

 

なぜ僕の中でくらげになってしまった。

どうしてそんなに形を超えてしまった?

悔やんでも悔やみ来れないこの気持ちは、きっと僕が与えられてきた中で最大の幸福だろう。

これを人々は幸せと呼ぶのだろう。

確かに今、僕は幸せである。

これを人々は幸せと、呼ぶのだろう。

 

 

 

っていう内容を歌で、3行で表現したいけどなかなかに難しい。

Norm/hozzy

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